入社三日目でウンコを漏らしました

ウンコを漏らすことに憧れていた。伊集院光であったり、くりぃむしちゅーの上田の「俺、先行ってかんな!!」であったり、DPZの林さんの死ぬかと思ったであったり。おもしろ話としてウンコは鉄板である。

先行ってっかんな!【さきいってっかんな】

高校時代、上田と有田二人で帰宅する途中、それまで普通に話をしていたのに突然上田が「俺先行ってかんな!」と言葉を残して有田を置いて先に行ってしまった。有田が不思議に思いつつ後から同じ道を帰っていると、河原にいる上田を発見。上田は野糞をしていた。

さ - ☆くりぃむしちゅーのANN☆用語辞典@wiki - アットウィキ

一番好きなウンコエピソードは誰のものか忘れたが「学校の帰り道で催してしまい、電柱の陰に隠れてウンコをしていたら向こうから友人が来て、急に止める事は出来ず友人からは死角になるよう移動しながらウンコをしていたら、最終的にウンコが『Z』の字を描いていた」というヤツである。誰だったかな?ダイアンだったかな?文字ヅラだけでも強いエピソードである。

 

とにかく俺にはウンコエピソードが一個もなかった。生粋のシティボーイだったのでそういった汚い話とは無縁だったのである。あったとしても「小学校の下校時、家のトイレまで間に合わないと察知したので駐輪場でクソをした」程度の弱いエピソードしかない。しかし、この度ワタクシおおきちはですね、齢30歳にしてウンエピが出来たのである、運がいいのか悪いのか、やっとよ!しかも入社三日目でっていう最悪なタイミングで。

 

4月から職場が変わった。話が合う同僚も見つかり、今日に至ってはフツーに就業中に椅子で眠ってしまっていた。そんな就業意欲に溢れる俺である。ケーキ屋のバイトの時も立って寝ていたな。多分これ治らないやつだぞ…今後もよろしく睡眠欲!

 

俺が勤めている会社はビルの2階にあり、オフィスとは別の場所にトイレがある。マンションで言うと201がトイレ、202がオフィスという様な構造とでも言えば分かりやすいだろうか?

 

お昼の休憩時間は会社周りの散策もかねて歩くようにしている。糖質制限ダイエットをしているのだが、このダイエットは食べられるものがかなり制限されるので外食がほとんど出来ないのが難点だ。しかし最近壱角家というラーメンチェーン店のベジタブル家系というメニューはラーメンから麺を抜き、代わりにゆで野菜をぶち込んだ美味しく糖質制限が出来る数少ない外食で食べられるメニューであることを発見した。職場の近所にも壱角家があったのでその日もベジタブル家系を食べに行った。壱角家は確か東京チカラめしを経営する三光フーズ的な会社が経営しているので、働いている人は殆どが態度の悪いアジア人のバイトであり、店も汚い。この壱角家はランチタイムにライス無料というサービスを行っているのだが、いつ行ってもライスの所に茶碗がないし、それどころか炊飯器を開けると空だし、ランチタイムなのに2オペだし、提供も遅いし、客の「ご飯ないんですけど!」と言う日本語もバイトのアジア人には通じていないし、炊飯器を交換したかと思ったら水分多すぎてグチョグチョのご飯というコントの様に最高のお店だ。

 

俺は最近この白米こそが「東京にしかないもの」なのかと思い始めた。東京には何でもあるが、オリジナルなものは何もない!全て上京してくれた人が東京にモノや文化捧げて出来た町と聞く。そんな田舎者が作った町"東京"にやっと東京オリジナルの物が出来たのだ。それが「汚いチェーン店の、日本語が通じないアジア人のアルバイトが、ランチタイムに出す、グチョグチョのライス」なのである。お昼になる度、俺はこれを噛み締めている。糖質制限してるとか最初に言ったが、無料ライスにゃ敵わないのである。カレーライスにゃかなわない(真島昌利

 

ご飯を食べた後の午後の勤務中に事件は起こった。14時頃、どうもオナラとは違うお腹の痛みがやってきたのだ。幸いトイレへは気にせず行けるような職場なのでトイレへ向かうと、なんと人が入っているではないか!このお腹の痛みは固めのウンコのそれではなく「ゆるウン」のそれだったので、制限時間は短い…赤福は柔らかくて美味しいけどナマモノなので賞味期限がある。それと同じ。俺の赤福の賞味期限は間もなくといった感じでギリギリだった。ここで俺は考えた

 

「ドアをノックして急かすか……」

 

しかし入社三日目である。まだこれくらいの距離感でドアをノックする事など出来ない。そんなことをすりゃドアをノックするのは誰だ?(小沢健二)状態に陥る。鍵がかかったトイレと分かってノックして急かすという行為は、上座下座、名刺の受け取り方、御社と弊社の使い分けに並ぶ社会人のマナーである。どうする、俺……

 

次の瞬間、俺は階段を駆け下りていた。ダメだ!もうここのトイレを待っている時間はない!近所のコンビニのトイレを利用しよう!!階段を降りて外に出たのだがそこで第2のトラブルに巻き込まれる。

 

「コンビニって…どっちだっけ?」

 

入社三日目である、コンビニまでの位置関係をまだ完全に把握していなかったのだ。確かコンビニは大通りに面していた…それくらいしか分からない。しかし、悲しいことに職場はちょうど2つの大通りに挟まれているのだ。どちらの大通りだったっけ……。

 

「たしかどっちの大通りにもコンビニはあったかな?……フツーのローソンと100円ローソンを大通りで見かけた気がする……」

 

気付くと俺は走っていた。ラン・ローラ・ランならぬフン・ローラ・フンだ(全然うまくねえじゃん!)早くしないと赤福が出荷されてしまう!!2ブロックほど駆け抜けて大通りに着くと奥に「100円ローソン」の文字が見えた。よし!勝ち確だ!!入店する!奥に向かう!トイレのドアを発見した!!

 

「防犯上の理由によりトイレのご利用はお断りをしています」

 

 

ファック!!100ローだからだ!ここの100ローはお客の質が悪いから店員が利用不可にしているのだ!チクショウ!なぜこんな事になるんだ!俺が何か悪いことをしたか!?職務中に寝たからから??そんなん言ったら俺ぁ吉野家でバイトしてた時食べちゃいけない賄いとかも食べてたぞ?(鮭いくら豚丼つゆだくという俺オリジナルメニュー)!!チクショウ!!

 

「もう一個の大通りにローソンがあったか!ああ、ここにレストランがあるけど!!!俺は今仕事中なんだよ!!!!……」

 

トイレジレンマにムカつきつつ、もうこうなったら会社のトイレが空いていることを祈るのみである。ダッシュでオフィスに戻り階段を駆け上がる!トイレを見るとちょうど人が出る瞬間であった!!よっしゃ!!

 

少し落ち着こう。人が出たと同時に入室したら、ずっと待っていたのかと思われる!ファンクミュージックにおけるグルーヴとは休符である。同じ様に人付き合いにおいてもがっついてはいけないのだ、距離感が大事なのである。それは最近マッチングアプリで学んだ。めちゃくちゃ好きな人が出来たとしても会って2回目でグイグイ自分を出すと引かれるのである。その悲しい経験をキチンと活かし、間を置いてからトイレに入った。ジーンズとパンツをまとめて下ろし、便座にケツが触れる前に赤福を出荷させた。それくらいギリギリだったのである。ウンコショットガンタッチは成功した。ウンコ・デスギこと俺と会場は一体になった。

 

職場のトイレはウォシュレットが付いているのでルンルン気分でお尻を洗い、トイレットペーパーでケツを拭く。べっちょり付いていた。

 

「ああ!野菜を食べたからヤワいのがでたのね」

 

俺っち、こう見えてウンコを出して30年経つんスよ。こういうのは経験で分かるんス。ウォシュレットしたのにウンコがつくって事は、ウンチングミーソフトリーって事!、肛門より奥(背中側)にヤワウンコが忍んでいるって事なのヨ!フツー、ウォシュレットって肛門を直撃するかのように洗うかと思うんだけど、ヤワいと何故か奥の方に潜んじゃうのよね。だからそういう時は便座に深く腰を掛け洗う必要があるのだ。案の定、再洗浄後お尻を拭いたところキレイキレイであった。カンペキだ!(ジーコの声で)

 

しかし、異変に気付く俺。

 

「なんか異様にクサいぞ……?」

 

オカシイ……赤福はすでに着水しているし、肛門周りはクリーンなはずだ。どこにもウンコはないはずだ。しかし、こんなにもクサいということはどこかに忍んでいるということではないだろうか?

 

俺は恐る恐るパンツを見た。いや付いていない……。「パッと見」は付いていなかった。怖い…俺はジーンズに重なってキュッと圧縮されているパンツを手で開いてみた。

 

そこには「こくまろ一皿分」といった感じでルーが付着していた。

 

おいおいおい、マジか。どうやらダッシュ中にはすでに漏れていたらしい「野菜の家系を昼に食べたせいです」ってか!?俺がサカナクションであったらそんな曲を作っていたであろう。しかし俺はサカナクションでなはく漏ラシ糞ン(モラシクソョン)だったのでそんな曲は作らない。バッハの旋律を夜に聴いたせいです。が元ネタなんだけど分かりにくかったカナ??

とりあえずトイレットペーパーでパンツを拭いてみるがニオイが取れるわけではない。トイレの棚の上にあった「流せる便座クリーナー」なるウエットティッシュで拭くもパンツに茶色が広がる一方。イヤーなニオイがトイレに充満し続けている。「このままでもジーンズを履けば、ジーンズがカバー代わりになってニオイを密閉して気にならないカナ??」いや、そんなギャンブル…入社三日目では出来ないよ!」

 

よし、、、このパンツを捨てよう……

 

俺はそう心に決めた。

ジーンズとパンツを脱ぎ、入社三日目の会社のトイレでフルチンとなった。そのまま立ち上がり、パンツをトイレットペーパーで包んだのだ、まるでブリトーかの様に(ウンコの『ブリ』とかけてます{ブリトニー・スピアーズ[これは言いたかっただけです]})。しかし、新たな課題が出てきてしまった。

 

「コレをどこに捨てればいい……」

 

このままオフィスにパンツのミイラを持ち込み、ゴミ箱に捨てる勇気はない。トイレットペーパーごときでウンコのニオイが密閉出来ているかどうかも怪しい。そもそも、このパンツのミイラを持ってトイレを出た瞬間、他の同僚に見つかったら「三角コーナーから生理用品をパクった男」と思われるのはないだろうか???そもそも「トイレにしては長くないか?」と社内で噂になっているかもしれない。このパンツのミイラを俺は細心の注意を払って外のゴミ箱に捨てに行く必要がある。

とにかく俺は素早く、クイックリーに入社三日目の職場のトイレ内でノーパンでジーンズで履いたのだ、ノーパンでジーンズを履いたのです。

 

そこから先は速かった。パンツのミイラをTシャツの下に潜り込ませて外へ出る!階段を降りる!ゴミ箱を探す!しかし、世の中ってそんなにゴミ箱であふれてないのね(泣)!!!もうこれはしょうがない、ゴメンなさいという感じで自動販売機の横にあったカン入れのとこにパンツのミイラを差し込み捨てた。

 

いや、最近コンプライアンスがどうこう言われている時代なのでこう書いておこう。その自動販売機の横のゴミ箱には「カン・ビン・ミイラ専用」と書かれてた。これでセーフだ。

 

こうして俺は無事オフィスに戻り、無事バレることなく三日目を過ごしたのである。

 

 

余談であるが、ノーパンでジーンズを履いた時、ジーンズの裏地にばんそうこうくらいの大きさの茶色いシミを見つけてしまった。必死に流せる便座クリーナーで拭き見なかった事にした。

 

「ブログにこの話を書く時、この部分はあまりにも汚いので書くのは控えよう」

 

そう思いながらノーパンで電車に乗り帰宅し洗濯機にジーンズをブチ込んだのでした。