ライブハウスのトイレで王貞治に会った

たまにライブを観に行く。

 

cinraっていうサイトがあってそこは毎月の様に無料ライブを行っている、無料と言ってもドリンク2杯の料金を払わなくては行けないのだけど。このイベントむちゃくちゃ前からやってんじゃないかな?俺がまだ学生の頃からやっていた気がする。それにお目当てのバンドが出ていたので観に行った。

 

お目当てのバンド以外は立っているのが疲れる。コスパ厨なので自分に関係あるもの以外はなんでもいいと思ってしまう、なので対バンの時はモニターを座って見ていたり、なんなら見ないで目当てのバンドの時間に入場する。ご多分に漏れず今回もモニターの前でカッコつけて知った風な雰囲気でビールを飲んでいた。ライブハウスでは「音楽好きな人」を気取った行動をとっちゃわない?自然に振る舞えない。周りの客の音楽好きな感じに勝手に劣等感を抱いてしまうのでそれに対抗すべく知った様な顔をすることにしている。モニターを見てる時も俺は普段飲まない海外製のビールを頼み、それが当たり前かの様に「いや、いつもハートランドですけど?」ってな顔をしていた、ジャスミン茶ハイか緑茶ハイのクセに。あと、海外製のビールを飲めば音楽通であるという俺の音楽に対しての偏見な。

 

かつてマキシマムザホルモンの亮君が公式サイトで連載していたコラムに「対バンを見ないで帰る奴は嫌い」とか言っていた。俺はまさにそれで、目当てのバンドが終わればすぐ帰る奴である。なんなら帰りに混むのが嫌なので最後の曲をやって「ありがとうございました!」の「ありが…」で帰っている。今回もそうした。

 

今回の目当てはSEVENTEEN AGAiNというバンド。かなり前から知っていたのだがグッと来た(ハッとしてグー{トシちゃん[ハラヘリヘリハラ]})のはここ最近。直近のシングルをラジオ経由で聴きハマってしまい、過去作などを改めて買って聴いたりしていた。そこで開催されたその無料イベント、よいタイミングである。

 

その目当てのSEVENTEEN AGAiNの演奏中に事件が起こった。尿意に襲われたのだ。どうもここ最近の俺っちの膀胱(略してOB、以下俺っちの膀胱{多分、以下に俺っちの膀胱って使わないので})は防御力が低い、尿のペースが速いのだ。この前コナンのゼロの執行人を観に行った時も持ち込んだエナジードリンクのせいで上映開始1時間でもう尿意よ。弱いのよ俺っちの膀胱(出てきた!!)そこからは映画のハラハラよりも「あと1時間、我慢できるか??」のハラハラが強く、全く映画に集中出来なかった。ラスト直前なのわかっているのに耐えられなくなりの「ええいままよ!安達有里安達祐実のママよ!!」と、いいシーンにも関わらず俺は席を立って「サーセン」のポーズをしながら一番前の扉へ向かった。しかし前方のドア、上映中は閉め切るタイプの扉で開かない。こんなところでコナンのアイキャッチを再現しなくていいよ!「サーセン、ほんとにサーセン」と言い後ろのドアからトイレへ向かった。1時間近く尿意と戦っただけあって体がのけぞるくらいの勢いで放たれる尿。KANのジャケット写真位のけぞった。

 

そこから再入場しようとするも、再入場するなんて考えていなかったから半券は見つからないし見つかったと思ったらグシャグシャだし、入ったら入ったで既にエンドロールだったし。俺は1時間前フリだけを見てオシッコしに来ただけのヤツである。ゼロシコ観た方、終盤になにがあったか教えてください。

 

話は戻ってライブ中の尿意の話。SEVENTEEN AGAiNが知らない曲の演奏開始したのを確認してトイレへ向かうとどうやら満員の様で、若い男の子がスマホをいじりながら待機していた。待っていると彼に話しかけられた

 

「お兄さん、漏れそうなんスカ??先並んでいいすヨ」

 

頻尿おじさんにはありがたい。でも、こういうのあるよな。後ろのヤツが明らかに挙動おかしいときは譲ってあげたくなる。優先してくれてありがとう。膀胱ジジイは先に行きますよ。

 

のけぞらない程度の尿を放ちトイレを出て「いいお湯でした」の様な顔で彼に会釈をすると

 

「お兄さん、何観に来たんスカ?」とまた声をかけてきた。

 

『うわ!!!ライブ会場で憧れてるやつ!!こういう声かけほんとにあるんだ!』

 

と思った。何年もライブを観に行っているがこんな声かけは初である。正直に言うとめちゃくちゃ嬉しかった。伝説でしかなかった「ライブで人と出会う」という経験を初めて味わっている。

 

「いや、今日はSEVENTEEN AGAiNを…」と伝えると彼は

 

「間違いない!」

 

そう言って両拳を見せるように出してきた。

『ウソ?これってグータッチ求められてる??!!?!?王貞治じゃないのに??この子貞治なの??王シュレット事件???』

 

初めてするグータッチに戸惑ったが俺も男である。普段チンチン握るのにしか使っていなく拳を彼の拳に当てた。そういやトイレ出てから手を洗ったっけ?

 

ヤング王貞治はそのまま話を続ける

 

「他にはどんなの好きなんですか?」

 

「ア…あとはwiennersとかですかね…」

 

「間違いない!」

 

そして両拳である。王貞治はホームベースに戻ってきたらグータッチだが彼は気分が上がるたびに求めてくる。書いてて思ったが彼は長井秀和でもあるね。

 

「え?SCHOOL YOUTHとかも好きなんですか?」

 

「ア…はい。wiennersから遡ってそのへんは…」

 

「間違いない!(グー)他には」

 

「ア…今はPUNPEEとか…」

 

「間違いない!お兄さん日本語ラップも好きなんですか?マジっすか?

 

 

SNSやってます?交換しましょうよ」

 

 

出たー!!「どこ住み?LINEやってる?」並みの常套句。しかし彼は男で僕も男。しかも俺はSNSでくだらない事しか言っていない。ただここでやっていないとウソもつけない、何故かというと凄く気持ちが良かったからだ。

 

今までSNS交換しましょうよ?というセリフにはちょっと嫌な印象があった。俺はSNSと現実で態度が違う、別人格である。リアルで出会った人にSNSを見せてはいけないと勝手に思っていた。SNS交換しましょうよと言ってくる人にとってはSNSはあくまでリアルの延長線にあるという解釈なのである。てかほとんどの人がそう。俺みたくリアルとネットで態度を変えているヤツのほうが異常者なのだ。

 

異常なのでSNS交換しましょうよの風潮に対してはなんとなくノれずにいたのだが、ヤング王貞治には「この人なら教えてあげてもいいか」そんな事を思った。聞き方があまりにもストレートだったので凄く気持ちが良く「あ!いいすよ」となったのである。

 

そんなこんなで今彼と繋がっていて最初につぶやいたのがヌートンで書いた意味の分からない記事なので早々にフォローを外してくれと思う。恥ずかしいよ!!

 
ラーメン女子のための二郎?二女(ジジョー)を食べました

nuwton.com

 


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