「まあ、別に同じ日本だからね」とか言って宿を取らずに名古屋に行くな

これはライターであり知人のzukkiniさんが転勤するというので俺が名古屋に行ったときの話である。俺の見た目から俺が東京生まれ東京在住のシティボーイであることは明白だと思うのであえて言わないでおく。大竹まこと、おおきち、斉木しげるなのだ。

さて、氏が外国へ転勤だと言うのと、元々名古屋に行ってみたかったというのがあり、日程を調整し高速バスで向かったのだが、宿に関しては「漫画喫茶も個室ビデオもカプセルホテルもあるし、当日とればいいだろう。なにせここは日本だから日本語が通じる、なにせ俺は海外でもそんな感じでなんとかなったから!!ナニセマサヒコ!」ってな気持ちで臨んだのが悲しみの始まりであった。

無事氏と落ち合い(博満じゃないヨ!)、夜に解散となり「ちとメシでも探しつつ宿を探すか」と、テキトーな安いホテルに電話するのだがなんとどこも満室だと言う。その名古屋駅にはパッと見ただけでもビジネスホテルが3つはあったのだが、そのどれもが埋まっている?あら?なぜ?ストライキ?と、思ってよく思い返してみると、高速バスを降りてからやたらと同じTシャツを着た人を何人も見た……24時間TVの時期ではないしそもそも普段から24時間TVのTシャツを着ている人はそんなにいないし、体育祭にしてはやたら老若男女がTシャツを着ていたのでよく見てみるとaquorsと書かれており、調べるとどうやらラブライブ!プロジェクトの一つの妹分的なグループな様で、その日名古屋でライブがあったとのこと。他にもALI PROJECTのTシャツを着てる人もよく見かけたので「おい!今、名古屋に"一番積極的なファンが多いアーティスト"が2組も集ってるのかよ!!そりゃ、宿も取れねぇわ!!」と、なった訳である。

そこからの俺は珍道中で、漫画喫茶を調べて入っては「今いっぱいなんです!」と言うのを10件以上聞き、恥ずかしさなど捨てて「こうなりゃラブホだ!相手がラブライブ!ならば、こちとらラブホテル!じゃい」というハイパーユニークペーソスファニエストイングリッシュギャグを胸にラブホテル街へ向かったのだがそちらも完敗という感じであった。こんなことをやっていると時間は深夜2時を過ぎてしまい、歩き疲れて足は痛いやら、お尻は痔持ちのため乾燥したのか痒くなってくるわ、汗で体は気持ち悪いやら最悪な気分に。さすがに諦め、俺は公園で野宿をすることになった。

なぜ俺は人の転勤前のお祝いに名古屋まで来たのに野宿をしなくてはならないのか?

そんな思いを馳せながら公園の噴水周りの縁石で寝ていたのだが、さすが大理石だ。お菓子を作るのに使われるだけあってよく体温を吸収してくれる。

一時間ほどソコで仮眠をしたのだがやはりシティボーイ的にこんな所では熟睡出来ず、意を決して、名古屋ではなく一個隣の繁華街の栄という街へ三十分くらいかけて歩いた向かった。

栄につくと見た目は新宿の様な町並みで、名古屋よりはエンタメ施設が多い感じであったのでここなら何かしらあるだろ!と、すぐ見つけた漫画喫茶に行ったのだがここも満室で、その後のカプセルホテル、漫画喫茶すべて満室で俺は泣いた。泣きじゃくった。

結局スーパー銭湯的なところで体を流し、施設内のソファで一時間ほど仮眠をとっていたのだけど、そのスーパー銭湯内の仮眠室も席はすべて埋まってるわ、仮眠のベッドを取れなかった者達が雑魚寝で通路以外を全て埋めており、地方でライブをやった時の人の移動っぷりを味わった。

 

っていう。

 

翌日、なんとか名古屋感を味わいたく名物でも食らうかと有名店に向かってみたのだが、土日だけあってすべて行列でアホらしくなり、せめてもの…という感じですき家うな重を食べた、東京でも食べられるヤツだ。

 

「俺は名古屋へ何をしにきた?」と自問自答の上、『名古屋のスーパー銭湯に照英のサインが飾られているのを確認するため』と結論した。そう、結論付けたのです。