ウサギの名付け親になれなくて泣いてしまった

ダジャレが大好きだ。ポリンキージェットシティーなどのくだらないダジャレが大好物で、気が付いたら頭に思い浮かんでいる。焼きとん屋できゅうりの漬物を食べていたらキューリ夫人とかフレディー・マーキューリーみたいな事を考えているし、CoCo壱番屋のカレーを食べに来たらカーレ・ルイスとかステファン・カリーとか考えている。ダジャレだけでは事足りずCoCo壱番屋の対義語とかを勝手に作っている。ヒア弐番屋、ASOKO零番屋などホントにどうしようもないギャグが浮かんでは消えていく。

 

そんな性格からなのか名前付けに昔からこだわっていた。

 

あれは小学校の二年生くらいだろうか?学校にウサギがやってきた。何故かウチのクラス内で命名会議をすることになった。各々思いついた人が挙手して名前を発表する。茶色と白の混じった体毛のウサギだった。「見てくれや特徴を名前に詰め込めたら正解」というのが俺の中にある。傷を泡の消毒液で治す「キズアワワ」なんて特徴も商品名っぽさも治りやすそう具合も全て含んだ最高のネーミングだ、小林製薬には見習う所がめちゃくちゃある(ちなみに気付いていない人がそれなりにいるんだけど、消臭剤の消臭力長州力とかけてると思うんだけどこれはどうなんだろうか?世の中には気付かずにダジャレをされている事がまあまあある。ちなみにこの長州力の件については伊集院光深夜の馬鹿力のダジャレGメンというコーナーで採用された覚えがある。ガチャろくというプレステのゲームは勝つとWINNERの文字とともにウインナーの絵が現れる。こういう細かいギャグに気付ける人生でありたい)

 

ウサギの名前には「ピョン吉」だか「ホワイティ」やらそんな名前が黒板に書かれていく。どの名前も全然面白くない…最適解があるはずだ…俺は唸りながら名前を考えていた。基本こういうネーミングは連想ゲームから単語を拾い集めてくる。「うーん…茶色はブラウン…ティー…。白はホワイト…ハク…。ウサギはラビット、バニー……さんまの名探偵で殴られて牢屋にぶち込まれる…。碧いうさぎ酒井法子星の金貨…」そんなゲームをしてる時にふと当時やっていたスーパーファミコンのゲーム「ロマンシングサガ3」のキャラ名が思い浮かんだ。

 

フルブライト……!」

 

フルブライトロマンシングサガ3に出てくる商人である。トーマスの知り合いでコイツに話しかけるとトレードという会社買収のミニゲームが出来る様になる。ふと彼の名前が浮かんだ

 

「体全体が茶色と白…フルがブラウンとホワイト……フルブライト……フルブライトだ!!!!」

 

 

カチーン!!俺の頭の中でアメリカンクラッカーがバッチリ鳴った!!名前っぽくもあり、特徴がキレイにネーミングに埋め込まれている。これは間違いない!マチガイネッサンドウィッチズである(掟ポルシェ)。俺は挙手し、フルブライトという名前とその意味を愚民にプレゼンした。

 

名前は多数決で決めることとなった。俺の勝ちは確実である。同級生というスライディングしか楽しみの無い膝のジャージがツルッツルな奴らにネーミングセンスなどないのである。俺のはお前らがテキトーに考えた名前よりも数億倍素晴らしく、意味が込めてある。勝ち確である。

 

 

 

数分後、俺は教室の後ろでめちゃくちゃ泣いていた。当時の俺はこの悔しさを言葉にする事が出来ずにめちゃくちゃに泣いたのだけど言葉にするなら

 

「なぜ…俺が…めちゃくちゃに意味を込めている名前が、思いつきのテケトーな名前に負けるんだ……ありえない……」

 

こんな感情であった。

 

未だにガチャガチャの商品名などを見ると「ああっ!!!ヤラれた!!!このネーミング最高だ!!!」とか思っている、シャクレルプラネットとか最高じゃないですか??

 

フルブライトの考え方は今でも間違っていないと思っている。

 

決まったウサギの名前がなんだったかは覚えていない。